シンガポール・チャンギ空港のターミナル2に、2025年11月、シンガポール航空の新しいシルバークリス ファーストクラスラウンジがオープンしました。総額4,500万シンガポールドルをかけたターミナル2ラウンジ改装プロジェクトの第1弾として生まれ変わった、同社の旗艦ラウンジです。

2026年7月、早朝便を利用する前にこのラウンジを家族で利用する機会がありました。蘭の花に迎えられる上質な空間、バクテーや点心を出来たてで味わえるライブキッチン、そして子連れにうれしいキッズプレイルームまで。話題の新ラウンジの様子を写真たっぷりでレポートします。

チャンギ空港T2 シルバークリスラウンジ ファーストクラスの入口。ゴールドのロゴサインと蘭の花が並ぶ

リニューアルしたシルバークリス ファーストクラスラウンジとは

シンガポール航空はチャンギ空港ターミナル2のラウンジ群(ファーストクラス・ビジネスクラス・上級会員向けのKrisFlyer Goldラウンジ)を段階的に改装しており、その第1弾として2025年11月7日にファーストクラスラウンジが先行オープンしました。

場所は出発フロアの1つ上、ターミナル2の3階でゲートE方面。出国審査を抜けてすぐの好立地です。広さは約1,050平方メートル、約130席の規模で、24時間営業。早朝4時台の到着でもフルサービスで迎えてくれたのは、深夜・早朝便の多いチャンギならではのありがたさでした。

ラウンジ基本情報
  • 名称: シルバークリスラウンジ ファーストクラス(SilverKris Lounge First Class)
  • 場所: チャンギ空港ターミナル2・3階(出発フロア上階、ゲートE方面)
  • オープン: 2025年11月7日(リニューアル後)
  • 広さ・席数: 約1,050平方メートル・約130席
  • 営業時間: 24時間
  • 主な設備: ダイニング、シグネチャーバー、シャワールーム、仮眠ポッド、キッズプレイルーム、授乳室

利用資格|私たちはANAダイヤモンドで入室できました

公式に案内されている利用資格は次のとおりで、いずれも同一便に搭乗する同伴者1名まで一緒に入室できます。

  • シンガポール航空のファーストクラス/スイーツ搭乗者
  • シンガポール航空の最上級会員 Solitaire PPS Club
  • スターアライアンス加盟航空会社のファーストクラス搭乗者

私たちはANA便のエコノミークラス利用で、夫婦ともにANAダイヤモンド(スターアライアンス・ゴールド)。本来の指定ラウンジはKrisFlyer Goldラウンジやビジネスクラスラウンジのはずですが、訪問時は受付でこちらのファーストクラスラウンジに案内され、子どもたちを含む家族全員で入室できました。

ちょうどターミナル2のラウンジ群が改装工事中の時期(ビジネスクラスラウンジは2026年5月に一部が先行オープンしたものの残りは工事中、KrisFlyer Goldラウンジはこの後改装予定)だったため、その間だけの一時的な案内だった可能性が高いと感じています。改装が完了すれば案内先は変わると思われるので、同じ条件で必ず入れるとは考えず、当日の受付の案内に従ってください。

スターアライアンス・ゴールド会員(エコノミー搭乗)の入室は、ターミナル2ラウンジ改装期間中の一時的な措置と思われます。通常時の指定ラウンジや同伴者の扱いは変更される可能性があるため、最新の案内はシンガポール航空公式サイトや当日の受付でご確認ください。

蘭の花と星のシャンデリア|落ち着いた大人の空間

入口を抜けると、大理石調の床にピンクの蘭が映えるレセプション。シンガポール伝統のプラナカン文化を思わせる花柄のデジタルアートが壁一面に広がり、南国らしい華やかさで迎えてくれます。

レセプション横のダイニングスペース。花柄の壁面装飾と半個室のソファ席

メインの座席エリアは、天井に星が流れるようなシャンデリアが輝く、静かで落ち着いた空間。1人掛けのレザーソファにはサイドテーブルと電源が備わり、パーティションで緩やかに区切られているので、周りを気にせずくつろげます。

メイン座席エリア。星のモチーフのシャンデリアの下にレザーのソファ席が並ぶ

窓際には滑走路を望むハイバックチェアも。早朝はまだ空が暗く、誘導灯の光を眺めながら出発までの時間をゆったり過ごせました。

曲線を描くソファのブース席。オリーブグリーンのファブリックで統一されたエリア

半円形のブース席が連なるエリアは、家族やグループでの利用にちょうどいいつくり。約130席の規模に対して訪問時の利用者は少なく、席選びに困ることはありませんでした。

ダイニング&ライブキッチン|バクテーと点心を出来たてで

このラウンジの主役といえるのが、シェフが目の前で調理してくれるライブキッチンを備えたダイニングエリアです。約60席のダイニングに、ホット・コールドのビュッフェとオーダー式のメニューが揃います。

ライブキッチンとビュッフェカウンターの全景。曲線を描く大理石調のカウンター

カウンターには料理サンプルが実物で展示されていて、指差しでオーダーできるのが分かりやすい。オムレツなどの卵料理、ココナッツジャムを塗った名物カヤトースト、インドの揚げドーナツ「メドゥワダ」、サモサ、グリルチキンのサワードウメルトなど、シンガポールの多文化ぶりを映すラインナップです。

料理サンプルの展示。オムレツ、カヤトースト、サモサなどが並び、キッズメニューの案内も立つ

ありがたかったのが、終日注文できるキッズメニュー(ALL-DAY KIDS MENU)の案内があったこと。ファーストクラスラウンジという響きに身構えていましたが、子ども連れが想定されたメニュー構成に安心しました。

ホットミールのカウンター。バクテー用の茶碗やクロワッサンが並ぶ

ホットコーナーにはシンガポール名物のバクテー(肉骨茶)が。鶏柄の茶碗によそっていただくスタイルで、胡椒の効いた澄んだスープに柔らかなポークリブがごろり。朝5時の体にじんわり染みる味でした。

バクテー(肉骨茶)。澄んだスープにポークリブと唐辛子が入った茶碗

点心は竹のせいろで提供され、海老の蒸し餃子はぷりぷり。ガーリック醤油のかかった青菜、スモークサーモンのサラダと合わせて、朝からしっかりローカル気分を味わえます。

実食プレート。海老の蒸し餃子などの点心、ガーリックソースの青菜、スモークサーモンのサラダ
竹せいろの点心コーナーとサンバルなどのインド料理の鍋

インド系のサンバルやカレー類、中華の煮込みまで、鍋のふたを開けるたびに発見があるビュッフェ。コールド側も充実していて、コンテやブリーなどのチーズプレート、ハムやサラミといったシャルキュトリ、オリーブが本格的です。

チーズとシャルキュトリのコーナー。コンテ18ヶ月熟成などの説明カード付き
フルーツとサラダのコーナー。青リンゴ、オレンジ、バナナとメスクランサラダ

ドリンク|搾りたてジュースからブルゴーニュまで

ドリンクも見どころが多く、まず子どもたちが喜んだのがオレンジを丸ごと搾るジュースマシン。ボタンを押すと目の前でオレンジが次々に潰れていく様子は、ちょっとしたアトラクションです。

オレンジを丸ごと搾るジュースマシンとコーヒーマシン

ティーステーションにはシンガポールの高級ティーブランドTWGの茶葉が並び、ホットタオルのウォーマーまで設置。細部まで行き届いています。

TWGのティーステーション。缶入り茶葉とティーバッグ、ホットタオルのウォーマー

そして存在感を放つのが、ラウンジ中央のシグネチャーバー。リング状の照明が重なる円形カウンターで、バーテンダーがカクテルを仕立ててくれます。

円形のシグネチャーバー。リング状の照明の下にバーカウンターとスツールが並ぶ

メニューにはシンガポール・スリングをはじめとするカクテルに加え、「Changi」と名付けられたモクテル(ノンアルコールカクテル)も。アルコールを飲まない人や子連れでもバーの雰囲気を楽しめる、粋な心配りです。

バーカウンターのワインボトルとカクテルメニュー。ポマール・プルミエ・クリュなどが並ぶ

ワインはディスペンサー式で常時複数種類がスタンバイ。ブルゴーニュの一級畑ポマール・プルミエ・クリュまで用意されていたのには驚きました。スピリッツもヘネシーX.O.など贅沢な顔ぶれです。

ワインディスペンサーとスピリッツの棚。ヘネシーX.O.やベルヴェデール、ベイリーズが並ぶ

キッズプレイルーム完備|子連れに優しいファーストクラスラウンジ

家族旅行派として一番お伝えしたいのが、このラウンジにキッズプレイルームが用意されていることです。ガラス扉で仕切られた個室になっていて、場所はダイニング近く。大人が交代で食事を取りながら子どもを遊ばせられる動線です。

キッズプレイルームの入口。ガラス扉越しにクマのイラストの壁とビーズソファが見える

中に入ると、シンガポール航空のマスコット的なクマが世界を旅する壁画が一面に描かれ、壁には仕掛け遊びのパネルが点在。「隠れた航空券を探そう」という遊び心のある仕掛けもあり、うちの子どもたちは搭乗時間までここに入り浸りでした。

キッズプレイルーム内部。旅するクマの壁画、仕掛けパネル、黄色と紫のビーズソファ

靴を脱いで転がれるビーズソファもあり、早朝で眠そうな子どもの休憩スペースとしても活躍。授乳室も備わっているので、赤ちゃん連れでも安心して過ごせるはずです。

このほかシャワールームや仮眠用のポッドもあり、長時間の乗り継ぎでもリフレッシュできる構成になっています(今回は早朝の短時間利用だったため未体験です)。

まとめ|家族でも堪能できる旗艦ラウンジ

リニューアルされたシルバークリス ファーストクラスラウンジは、内装・食事・ドリンクのどれをとっても「シンガポール航空の顔」と呼ぶにふさわしい仕上がりでした。それでいてキッズメニューやプレイルームなど、家族連れへの目配りが行き届いているのも魅力です。

  • 2025年11月リニューアルの新しく美しい空間。24時間営業で早朝便でも利用可
  • ライブキッチンのバクテー・点心・キッズメニューと食事が充実
  • シグネチャーバーはモクテルもあり、家族でも楽しめる
  • キッズプレイルーム・授乳室完備で子連れに優しい
  • 利用資格の扱いは改装状況で変わる可能性あり。当日の案内を要確認

チャンギ空港ターミナル2の改装はまだ続いており、ビジネスクラスラウンジ、KrisFlyer Goldラウンジと順次生まれ変わっていく予定です。シンガポール旅行や乗り継ぎの際にチャンスがあれば、ぜひ体験してみてください。