ANAアメリカン・エキスプレス・カードが2026年9月2日にリニューアルされます。カードデザインの刷新をともなう大きな改定で、ゴールドとプレミアムは年会費が上がります。

カード単体の解説はすでにあちこちで出ているので、この記事では家族で持つとどうなるかに絞って整理します。わが家のように夫婦で1枚ずつ持ち、家族旅行のためにマイルを貯めている家庭にとって、今回の改定は「年会費がいくら増えるか」だけでは判断できない中身になっています。

結論:家族で持つなら年13,200円の負担増。ラウンジ特典は家族カードも対象

  • ゴールドは本会員 34,100円 → 42,900円、家族カード 17,050円 → 21,450円
  • 夫婦で本会員+家族カード1枚なら、合計 51,150円 → 64,350円(年13,200円増)
  • 新設の空港ラウンジ特典はゴールドとプレミアムが対象(一般カードは対象外)。基本カードも家族カードも対象で、それぞれ同伴者1名まで無料
  • 一般カードはデザイン変更のみ。年会費も特典も変わらない

順に見ていきます。カードの年会費・特典についてはアメリカン・エキスプレス公式サイトの案内、SFC制度の見直しについてはANA側の発表に基づく、いずれも2026年8月時点の情報です。

年会費はいくら上がるのか

カード本会員(改定前→改定後)家族カード(改定前→改定後)
ANAアメックス(一般)変更なし1枚 2,750円(変更なし)
ANAアメックス・ゴールド34,100円 → 42,900円17,050円 → 21,450円
ANAアメックス・プレミアム165,000円 → 187,000円4枚まで無料(変更なし)
金額はすべて税込。2026年8月時点の公式案内より。

注目したいのはゴールドの家族カードが4,400円上がる点です。本会員の8,800円アップばかりが取り上げられますが、夫婦で運用している家庭は合わせて年13,200円の増加になります。

プレミアムは本会員が22,000円上がるものの、家族カードは4枚まで無料のままです。子どもが成長して家族カードを増やす予定があるなら、枚数が増えるほどゴールドとの差は縮まります。

いつから請求が変わるのか

公式案内によると、既存会員への適用時期は項目ごとに異なります。

  • 新しい年会費:2026年11月以降に請求となる年会費より順次(適用月は会員ごとに異なります)
  • 年間利用ボーナスマイル:2027年1月1日から
  • ダイニング特典:2026年10月29日から
  • ラウンジ特典:2026年9月2日から

つまりラウンジ特典は9月2日から先に始まり、年会費の値上げはそのあとから順次という順番です。年会費がいつの請求から変わるかは会員ごとに異なるため、自分の適用時期は公式の案内で確認してください。

新ラウンジはゴールド・プレミアム限定。家族カードも対象だが条件がある

今回の目玉のひとつが、羽田空港第2ターミナル国際線の出国エリア3階にある「POWER LOUNGE PREMIUM」を同伴者1名まで無料で使える特典です。対象はゴールドとプレミアムで、一般カードは対象外です。

公式案内の注記には「基本カード、家族カードとも同伴者1名様まで無料」と書かれています。家族カードも対象なので、カードを持っている人がそれぞれ1名を連れて入れることになります。

たとえば夫婦で本会員と家族カードを1枚ずつ持っている場合、カードは2枚あるのでそれぞれが同伴者を1名ずつ連れて、合計4名まで無料という数え方になります。カード1枚だけで家族4人が無料になるわけではない、という点だけ注意してください。

ただしこの4名が成立するには条件があります。公式には「対象のアメリカン・エキスプレス・カードと、カード会員ご本人名義の当日の搭乗券または航空券」の提示が必要とあり、アメックスのアプリやDigital Walletでのカード提示では利用できないと明記されています。つまり家族カード会員も同じ日に搭乗し、カードの現物を持っている必要があるということです。

同伴者が増える場合の料金も公式に記載があります。同伴者2名様以降は1名あたり4,400円(税込)お子様は4歳未満が無料、4歳〜12歳は1名2,200円(税込)です。小さいお子さん連れなら、追加分の負担はそれほど大きくならない計算になります。

もうひとつ、国内線利用が多い家庭は注意してください。このラウンジは第2ターミナルの国際線出国エリア(保安区域内)にあるため、国内線に乗る日には立ち寄れません。沖縄や北海道など国内線中心のご家庭だと、年会費が上がっても使う機会がない、ということが起こりえます。

また公式には「本ラウンジはANAラウンジとは異なります」と明記されています。ANAラウンジはANAが定める基準で提供されるサービスで、このカード特典では利用できません。ANAカードだからANAラウンジに入れる、という話ではない点に注意してください。

羽田で家族が休める場所については、羽田空港で仮眠・休憩できる場所で、誰でも使える選択肢と会員限定の選択肢を分けて整理しています。あわせて確認してみてください。

家族カードでは使えない特典もある

今回追加されるダイニングキャッシュバックについて、公式FAQには「基本カード会員様向けの特典ですので、家族カードではご登録いただけません」と書かれています。家族カードの年会費は上がるのに、この特典は使えないということです。

またプレミアムでは海外旅行傷害保険が2026年11月1日から自動付帯ではなく利用付帯に変わります。旅行代金をこのカードで決済していないと保険が効かなくなるので、家族旅行の支払いをどのカードでするか決めている場合は、あわせて見直しておく必要があります。

年400万円のボーナスマイルは、家族で届くのか

ゴールドには年間400万円(税込)以上の利用で15,000マイル、プレミアムには年間600万円以上で30,000マイルという新しいボーナスが加わります。

ここで家族目線の疑問が出ます。家族カードの利用分が本会員の年間利用額に合算されるのかどうかです。合算されるなら400万円は現実的な水準になりますし、されないなら本会員1枚で400万円を使い切る必要があります。

この点について、公式案内には家族カード利用分の扱いが明記されていませんでした。判断が変わる重要な条件なので、申し込みや切り替えを検討する際はカード会社に直接確認することをおすすめします。ここを推測で決めると、年会費だけ増えてボーナスに届かないという結果になりかねません。

なお継続ボーナスマイルは、公式案内ではゴールドが2,000マイル、プレミアムが10,000マイルと記載されています。

スーツケースを引いて空港の出発ロビーを歩く4人家族の後ろ姿
カードの損得は、家族が実際にどう旅行するかで変わります。※画像はイメージです

SFCを目指している家庭はどう考えるか

ANAスーパーフライヤーズカード(SFC)のアメリカン・エキスプレス版も、今回のリニューアルの対象に含まれています。

SFCの維持や取得を家族で考えている場合、判断材料は年会費だけではありません。当サイトではSFC維持のためのANAカード決済戦略や、JGCとSFCを家族でどちらに寄せるかを別途まとめています。

ただしANA側の制度そのものが見直しの途中です。2026年6月の株主総会で制度改定の内容を見直す方針が示されており、新しい基準は改めて公表される見込みとされています。カードの年会費だけを見て早急に結論を出すより、制度側の発表を待ってから決めたほうが安全な局面だと考えています。

窓辺の木のテーブルに置かれた閉じたノートとペン、コーヒーカップ
年会費への反映は順次で、時期は会員ごとに異なります。落ち着いて考える余地はあります。※画像はイメージです

家族での判断ポイント

  • 夫婦2枚で運用中:年13,200円の増加。請求への反映は順次なので、まず自分の適用時期を確認する。公式FAQでは、切り替えや解約をするなら年会費支払いタイミングの1か月前までに手続きするよう案内されている
  • 家族カードを3枚以上持ちたい:プレミアムは4枚まで無料なので、枚数が増えるほど年会費差は縮まる
  • ラウンジ目当て:ゴールド・プレミアム限定で、国際線の出国エリアのみ。国内線中心の家庭は使う機会が少ない
  • 家族カードも対象:カード枚数×(本人+同伴1名)で無料人数が決まるが、家族カード会員も同日搭乗とカード現物の持参が必要
  • 年400万円の利用が視野にある:家族カード分が合算されるかを先に確認する

まとめ

今回のリニューアルは、本会員の年会費アップだけを見ていると家族での損得を読み違える内容でした。ゴールドは家族カードも4,400円上がる一方、新しいラウンジ特典は家族カードも対象です。負担が増える面と、家族で使える面の両方を並べて判断する必要があります。

一方でプレミアムの家族カードが4枚まで無料のままである点や、一般カードが据え置きである点など、家族構成によって結論は変わります。

本記事の内容は2026年8月時点の公式案内に基づいています。適用時期や条件は変わることがあるため、申し込み前にかならず公式サイトで最新の内容をご確認ください。