2026年4月、ヒルトンとブルックフィールドから、目黒のホテル雅叙園東京を「雅叙園東京 LXRホテルズ&リゾーツ」として2027年に開業すると発表されました。京都の「ROKU KYOTO」(2021年開業)に続くヒルトン公表の国内2軒目LXRであり、東京エリアでは初進出になります。

LXR(エルエックスアール)はヒルトンが世界中で展開する最上級ラグジュアリーブランドのひとつで、「その土地の歴史的な建築・文化遺産」をベースにしたホテルだけが名乗れる位置づけです。「ピーコック・アレー」で知られるウォルドーフ・アストリアと並ぶヒルトンの最上位枠で、世界でもセレクトされた一握りの物件しか展開されていません。

なお国内のLXRはROKU KYOTOに次いで、雅叙園東京(2027年予定)・広島宮島口(2028年予定)・箱根強羅(2028年夏予定)の3軒が今後加わる発表が出揃っており、急速に拡張する時期に入っています。

雅叙園は1928年創業、90年以上にわたって「昭和の竜宮城」と呼ばれてきた目黒の名宿です。東京都指定有形文化財の「百段階段」をはじめとする2,500点以上の日本画・美術工芸品はそのままに、ヒルトン最上級ブランドの一つとして再出発するという、家族で泊まる立場には嬉しい発表でした。

この記事では、現時点で分かっている公式情報と、家族で訪れる視点での見どころ・予約準備の進め方をお伝えします。

雅叙園東京 LXRの基本情報

公式発表で明らかになっている内容をまとめます。

雅叙園東京 LXRホテルズ&リゾーツ 概要
所在東京都目黒区下目黒(現「ホテル雅叙園東京」と同じ場所)
開業2027年予定(2026年半ばに宿泊・料飲営業を再開し、改修を経てLXR開業)
客室数60室(全室80㎡以上のスイート想定)
料飲施設5施設(オールデイダイニング、スペシャリティレストランほか)
会議・宴会約5,700㎡のミーティングスペース
その他施設フィットネス、スパ
所有ブルックフィールド
運営ヒルトン
ブランド位置国内2軒目のLXR(先行はROKU KYOTO、東京初)

ポイントは「大規模リブランドだが、文化財はそのまま継承」という方針です。雅叙園の所有がブルックフィールド(カナダ系の世界的投資会社)に移り、運営をヒルトンが引き受けるかたちで、ブランドは LXRに切り替わります。

雅叙園と「百段階段」とは

東京以外にお住まいの方や、これまで雅叙園を訪れたことがない方向けに、雅叙園の特徴と「百段階段」を簡単にご紹介します。

1928年創業、目黒の「昭和の竜宮城」

雅叙園は1928年に細川力蔵氏が創業した宴会場・料亭が原点です。当時、結婚式場・料亭として「庶民にも華やかな宴を」というコンセプトで親しまれ、館内の装飾の豪華さから「昭和の竜宮城」と呼ばれました。

戦後・現代にかけて何度かリニューアルを重ねつつ、2017年から「ホテル雅叙園東京」の名称で運営されてきました。

東京都指定有形文化財「百段階段」

「百段階段」は1935年(昭和10年)建造の木造建築で、雅叙園で唯一現存する戦前の建物です。99段の長い階段廊下が、それぞれ趣の異なる7つの部屋をつないでいる構造になっています。

  • 建造:1935年(昭和10年)、目黒雅叙園3号館として建築
  • 構造:厚さ約5cmのケヤキ板を使った99段の階段廊下と7部屋
  • 装飾:当時屈指の日本画家による天井画・欄間画。桃山風・日光東照宮系統の豪華装飾
  • 文化財指定:2009年3月、東京都指定有形文化財
  • 公開:通常は企画展開催時に有料公開

百段階段は「日本国内に現存する戦前木造建築の中でも、装飾の豪華さで突出した1件」と言える存在です。LXR ブランドの「その土地ならではの歴史的建築」という方針と非常に親和性が高い物件と言えます。

2,500点のアートに彩られたミュージアムホテル

雅叙園は館内全体に2,500点以上の日本画・美術工芸品を配置しており、「ミュージアムホテル」を自認してきました。LXRリブランド後もこの方針は基本的に継承される見込みです。

家族で泊まる視点での見どころ

LXRリブランド後の雅叙園は、家族旅行・お祝い滞在の選択肢としてとても面白い1軒になりそうです。家族目線で気になるポイントを順番に見ていきます。

全室80㎡以上のスイート想定

現在のホテル雅叙園東京の客室は全60室で、全室80㎡以上・スチームサウナとジェットバス完備という構成です。LXR後もこの「全室スイート」という基本仕様は維持される見通しで、家族3〜4人で泊まっても窮屈さを感じにくいサイズ感です。

子どもと一緒に「文化財に泊まる」体験

百段階段や2,500点のアートを擁するホテルに泊まること自体、子どもにとって貴重な文化体験になります。「修学旅行で訪れる京都の旧家」のような世界観が、東京・目黒で楽しめるのは雅叙園ならではの強みです。

お祝い・記念日利用

雅叙園は本業として婚礼・宴会で長年実績があるため、記念日プランや家族のお祝い対応はもともと得意分野です。LXR後も七五三・成人・結婚記念日などの利用は継続される見込みです。

アクセス

JR山手線「目黒駅」から徒歩約3分という好立地。羽田空港・成田空港のいずれからもアクセスしやすく、地方在住の家族にとっても泊まりやすい場所です。

都市型と京都リゾート型、どう使い分ける?

国内に1軒だけ先行している「ROKU KYOTO」と比べてみると、雅叙園東京の個性がよりはっきり分かります。家族旅行で「次にLXRを使うならどっちか」を考えるときの判断材料としてご紹介します。

国内LXR 2軒の比較
項目雅叙園東京 LXR(2027開業)ROKU KYOTO(2021開業)
立地東京都目黒区(都市型)京都市北区鷹峯(リゾート型)
客室数60室(全室スイート)114室(デラックス50㎡〜、スイート100㎡)
所有ブルックフィールド東急不動産
キーワード百段階段、和の美術、お祝い鷹峯三山と天神川、温泉、自然との一体感
家族向け要素都市アクセス◎、文化体験自然・温泉・京都観光のベース

「都市の中の和文化×LXR」が雅叙園、「京都郊外の自然×LXR」がROKU KYOTO、というかたちで国内2軒の性格がきれいに分かれます。Hilton Honors会員にとっては、用途と季節で使い分けやすい選択肢が揃うことになります。

Hilton Honors会員はどんな特典が使えるのか

LXRもヒルトン傘下のため、Hilton Honors の上級会員特典の対象になります。雅叙園東京 LXRで期待される特典は次のとおりです。

  • 朝食2名無料(ダイヤモンド会員):和洋朝食の運用が予想される
  • 客室アップグレード:全室スイート構成のため、客室カテゴリ内での眺望・広さアップが期待
  • レイトチェックアウト:可能な範囲で延長
  • ウェルカムドリンク・25%レストラン割引

全室スイート構成という特性上、「下位カテゴリからスイートへのアップグレード」という形ではなく、「より良い眺望・より広いスイートへの引き上げ」という運用になりそうです。

Hilton Honorsダイヤモンド会員の達成条件は2026年1月に改定され、現在は「年間50泊・25滞在・対象決済$11,500」のいずれかです。ヒルトン・アメリカン・エキスプレス・プレミアム・カードを保有し年間200万円以上を決済することでもダイヤモンドが自動付与されます。

2026年半ばの「営業再開」の意味

注目したいのが、2027年LXR開業の前に「2026年半ばの宿泊・料飲営業再開」というステップが用意されている点です。

ホテル雅叙園東京は今後、客室を含む一部施設の改修を経てLXRブランドに移行します。その途中の2026年半ばには、宿泊と料飲(レストラン・宴会)の営業が再開される予定で、「LXR以前の雅叙園」を体験できる最後のチャンスとなります。

長年の雅叙園ファン、もしくは「リブランド前後の違いを比べたい」という家族にとっては、2026年中盤〜2027年開業前の期間が特別な意味を持つことになります。

開業に向けて今からできる準備

家族で雅叙園東京 LXRに泊まりたい・記念日に使いたいと考えている方が、2027年に向けて今からできることを整理します。

  • 2026年半ばの「営業再開」中に訪問:LXR前の雅叙園を体験する最後の機会。日帰りランチや百段階段企画展との組み合わせもおすすめ
  • Hilton Honors会員登録・ステータス取得:LXR開業時に上級特典が活きるよう、ゴールド以上を目指す
  • ROKU KYOTOで「LXRブランドの肌感覚」を予習:ヒルトン傘下のラグジュアリーの世界観を体験しておく
  • 記念日スケジュールの確保:LXR開業初年度は予約が集中する見込み。お祝いを2027年後半〜2028年にかける場合は早めの計画を
  • 続報のチェック:客室レイアウト・料飲ラインアップ・予約解禁日などが今後段階的に発表される見込み

まとめ:和の文化財がLXRブランドで生まれ変わる

雅叙園東京 LXRホテルズ&リゾーツの発表で押さえておきたいポイントを最後にまとめます。

  • ホテル雅叙園東京がヒルトン傘下「LXRホテルズ&リゾーツ」として2027年に開業(東京初のLXR)
  • 所有はブルックフィールド、運営はヒルトン、ブランドはLXR
  • 東京都指定有形文化財「百段階段」と2,500点のアートはそのまま継承
  • 客室は60室、全室80㎡以上のスイート構成、家族3〜4人でも快適
  • 2026年半ばに宿泊・料飲営業が再開、LXR開業は2027年予定(営業再開中の訪問が「LXR前の雅叙園」を体験する最後の機会)
  • Hilton Honors会員特典(朝食無料・上位スイートへのアップグレード・レストラン割引)の対象
  • 京都「ROKU KYOTO」(国内1軒目)と並ぶ、国内2軒目のLXR。都市・文化体験型として性格が異なる
  • JR目黒駅から徒歩約3分。空港アクセス◎で、地方在住の家族でも泊まりやすい

「文化財に泊まる」という体験は、家族の記憶に残る滞在になります。続報が出たら追記していきます。