Homes & Villas by Marriott Bonvoy(以下ホームズ&ヴィラ)で、エリートナイトクレジットが2倍になるキャンペーンが走っています。エリートナイトクレジットというのは、マリオットボンヴォイの上級会員になるために必要な「泊まった夜数」のカウントのこと。一軒家やヴィラに泊まってそれが倍で貯まるという、家族旅行とは相性のいい話です。

私も乗ることにして、クアラルンプール市内の物件を1件おさえました。

ところが宿泊の3日ほど前、念のため現地の物件管理会社(オーナー側)に連絡してみたところ、返ってきたのは「水漏れで使えない」という一言でした。

結果としては全額返金になりました。ただ、そこにたどり着くまでに米国の窓口へ英語で3回電話することになり、しかも戻ってきた金額は支払ったときより7,765円少なくなっていました

サービスそのものを否定したいわけではありません。仕組みを知ってさえいれば十分に使えると思っています。この記事では、実際に起きたことを明細つきで書いたうえで、「使うならこうする」までをまとめます。

本記事のキャンペーン条件・キャンセルポリシー・問い合わせ先は2026年9月10日時点で公式サイトを確認した内容です。制度は変わりますので、予約前に必ず最新の記載をご確認ください。金額は筆者のカード利用明細の実額です。

ホームズ&ヴィラは「マリオットが貸してくれる家」ではない

まず前提の確認です。ホームズ&ヴィラは、マリオットが運営する一軒家・ヴィラ・コンドミニアムの予約サイトです。Airbnbのような民泊予約サイトとの決定的な違いは、泊まるとボンヴォイのポイントとエリートナイトクレジットが貯まること。上級会員を目指して意図的に泊数を積む、いわゆるステータス修行の対象になるわけです。

ただし、物件そのものを運営しているのはマリオットではありません。各地の物件管理会社(プロパティマネジメント会社)が持ち物件を掲載していて、予約後の物件に関する問い合わせは「予約確認メールに記載された物件管理会社へ」というのが公式の案内です。

ホームズ&ヴィラの二層構造を示した概念図。上段はノートパソコンのアイコンと「予約サイト」、下段は家と鍵のアイコンと「現地の物件管理会社」で、両者が横線で分けられ矢印でつながれている

上下は主従関係ではなく、役割の分担です。予約を受けるのはマリオットでも、実際に部屋を開けられるのは現地の会社になります。

ここが今回の話の起点になります。予約サイトはマリオット、鍵を持っているのは現地の会社。この二層構造を頭に入れておくかどうかで、トラブルが起きたときの動き方が変わります。なお以下では、物件を持つ人と管理会社をまとめて「オーナー側」と呼びます。

乗ろうとしたのは「エリートナイト2倍」キャンペーン

Homes & Villas by Marriott Bonvoy公式サイトのキャンペーン告知。2026年9月3日から12月15日までの宿泊でエリートナイトクレジットが2倍になること、9月30日までの予約と登録が必要なこと、最低利用額1,750米ドルが条件であることが英語で書かれている

出典: Homes & Villas by Marriott Bonvoy 公式サイト(2026年9月10日確認)

条件を整理するとこうなります。画面の告知に出ているのは概要だけで、開始日・最低宿泊数・付与時期は利用規約(Terms & Conditions)まで開かないと出てきません。登録する前に一度目を通しておくことをおすすめします。

エリートナイト2倍キャンペーンの条件(2026年9月10日時点)
対象宿泊2026年9月3日〜12月15日
予約期間2026年9月1日〜9月30日
事前登録9月30日までに要登録
最低宿泊数連続2泊以上
最低利用額1,750米ドル(税金・予約手数料・清掃料・デポジット・追加オプションサービスは除く)
対象予約有償(キャッシュ)予約のみ。ポイントを使った特典予約は対象外
支払い方法クレジットカードでの決済が必要
感謝祭週間の上乗せ11月21日〜30日の宿泊はポイントも2倍
ボーナス付与2026年12月15日〜12月31日

3泊すれば通常の3泊分に加えてボーナス3泊分、合計6泊分のエリートナイトクレジットになります。プラチナやチタンを狙っている人には大きい差です。

そして、ここに今回の話につながる一文があります。

公式の利用条件には「キャンセルまたはノーショー(連絡なしで泊まらないこと)の場合、ポイントもエリートナイトクレジットも付与されない」と明記されています。当たり前ではありますが、泊まれなかった時点でキャンペーンの旨味はゼロです。予約期間も9月30日で終わるので、取り直すなら残りわずかな期間で代わりの物件を探し直すしかありません。

予約はあっけないほど簡単だった

サイトで日付と人数を入れて、カードで決済。予約確定のメールがすぐ届きました。操作感はマリオット本体の予約とほとんど変わりません。

だからこそ、この時点で「もう押さえた」と安心してしまいます。

クレジットカードの利用明細画面。9月2日にHOMES & VILLAS MARRIOTTから391,780円、米ドル建てで2,366.71ドルの請求が記録されている

予約したのは9月2日。明細を見るとおり、その日のうちに全額が引き落とされています。支払いのタイミングは予約の仕方によって変わるのですが、いずれにせよホテルの「現地決済」とは違い、泊まる前にお金は先方に渡っています。

ちなみに明細上の加盟店名は「HOMES & VILLAS MARRIOTT」、詳細には「HVMI ECOMM STRATUS」と表示されました。見慣れない文字列ですが、これがホームズ&ヴィラの決済です。

宿泊3日前、「水漏れで使えません」

チェックインの段取りを確認しようと、物件管理会社に自分から連絡を入れました。返ってきたのが冒頭の一言です。水漏れが起きていて、部屋は使えない。

続けて言われたのが「そちらでキャンセルしてください」でした。

ここで素直に予約照会画面のキャンセルボタンを押していたら、おそらく1円も戻ってきていません。

自分でキャンセルボタンを押してはいけない理由

ホームズ&ヴィラのキャンセルポリシーは、ホテルの「前日まで無料」とはまったく別物です。

ポリシーは物件ごとに14日前・30日前・60日前・90日前の4種類。ここでは14日前ポリシーを例に、予約したタイミングで支払いと返金がどう変わるかを見てみます。

14日前ポリシーの物件の場合(公式FAQ)
予約したタイミング支払いキャンセルと返金
到着の15日以上前予約時に50%、到着14日前に残り50%予約から48時間以内なら全額返金。到着15日以上前のキャンセルも全額返金
到着の14〜11日前予約時に100%予約から48時間以内のみ全額返金
到着の10日前以内予約時に100%返金なし

30日前・60日前・90日前のポリシーでも3段構造は同じで、日数がそのポリシーのものに置き換わります。たとえば60日前ポリシーなら、左端は「到着の61日以上前」「到着の60〜11日前」「到着の10日前以内」の3段。残り50%の引き落としは到着60日前になります。なお90日前ポリシーだけは、早く予約しても予約から48時間を過ぎると返金なしという厳しい設定になっています。

4種類に共通しているのが最後の行です。到着10日前を切ってからの予約は、支払いは100%前払い、返金は原則なしです(米国カリフォルニア州の物件のみ例外あり)。

ここで自分の状況に当てはめてみます。予約は9月2日で、その日に全額が引き落とされている。返金が計上されたのが9月6日ですから、チェックインまで1週間もない直前予約でした。

つまり表のいちばん下の行です。支払いは100%前払い、返金はなし。1段目・2段目にある「予約から48時間以内なら全額返金」という猶予も、この段にはありません。予約した瞬間から、規定上は返金の余地がゼロだったことになります。

その状態で、宿泊3日前に水漏れを知らされました。ここで自分でボタンを押せば「宿泊者都合のキャンセル」として処理されてもおかしくない。振り返ると、この記事でいちばん危なかった場面です。

もうひとつ、ボンヴォイのエリート会員特典である「当日キャンセル可」も、ホームズ&ヴィラでは対象外と明記されています。ホテルの感覚は一切通用しないと思っておいたほうがよさそうです。

一方で、同じ公式FAQにはこう書かれています。物件管理会社側が予約を変更する必要が生じた場合には、納得できる代替宿泊先を手配するか、全額返金する、と。

つまり必要だったのは、キャンセルという結果ではなく「これはオーナー都合である」という事実をマリオット側の記録に残すことでした。

キャンセル手順の手描き風フロー図。「現地から連絡」から2本の矢印が分かれ、左は赤いバツ印つきの「自分でキャンセル」、右は緑の丸印つきの「まずカスタマーケア」につながっている

○は正しい「順番」を示すもので、電話すればすぐ解決するという意味ではありません。私の場合は3回かけ直すことになりました。

現地から「キャンセルしておいて」と言われても、その場でボタンを押さないこと。先にホームズ&ヴィラのカスタマーケアへ連絡し、オーナー都合であることを伝えて記録に残す。順番を逆にすると、同じ結末でも返金の根拠が消えます。

米国の窓口に英語で3回電話した

公式サイトに載っている問い合わせ先は電話が中心で、番号は2つです。

ホームズ&ヴィラの問い合わせ先(公式サイト)
  • 米国・カナダから: +1 833 764 2004(フリーダイヤル)
  • それ以外の国から: +1 786 522 2680
  • 予約後の物件に関する質問は、予約確認メールに記載の物件管理会社へ

日本からかけると、当然ながら米国の窓口につながります。私がかけたときに日本語対応の案内はなく、やり取りはすべて英語でした。公式サイトに営業時間の記載は見当たらないのですが、実際につながったのは日本時間の夜9時を過ぎてから。時差の分だけ、こちらの生活時間が削られます。

そして電話口でその場で「はい、キャンセルして返金します」とはなりませんでした。オペレーターがオーナー側に事実確認をする、という手順を挟むためです。

1回目の電話のあと、待てど暮らせど処理が進みません。どうやらオーナーに連絡が届いていない、あるいは気づいていない様子でした。2回目、3回目とかけ直して、ようやくキャンセル成立です。

夜の自室の机で、スマートフォンを耳に当てて電話をしている人物を後ろから描いた水彩イラスト。デスクライトが灯り、窓辺には猫が眠り、窓の外には夜の街の明かりが見える

日本時間の夜、3回目の電話(イメージ)。実際はもっと余裕のない時間でした。

英語で、夜遅くに、3回。宿泊3日前という状況でこれをやるのは、正直かなり消耗しました。

公式FAQには「代替宿泊先を手配するか、全額返金する」とありますが、今回のケースで代替の宿を探すという話が出てくることはありませんでした。返金一択です。この時期になると、そもそも代わりの物件を用意する余地がなかったのだろうと思います。

電話の前に、予約番号(MまたはHで始まります)・チェックイン日・予約者の姓・登録メールアドレスを手元に用意しておくと話が早く進みます。オーナーとのメッセージのやり取りもスクリーンショットで残しておくと、「オーナー都合である」ことの説明に使えます。

全額返金……のはずが7,765円減っていた

キャンセルが通り、返金の連絡が来たときはほっとしました。カード明細を開くまでは。

クレジットカードの利用明細。9月2日にHOMES & VILLAS MARRIOTTから391,780円の請求、9月6日に同じ店名で384,015円の返金が並んで表示されている

支払いが391,780円、返金が384,015円。7,765円足りません

不思議なのはここからです。米ドル建ての金額を見ると、請求も返金もどちらも2,366.71ドル。1セントも違いません。

クレジットカードの返金明細の詳細画面。マイナス384,015円、米ドル建てでは2,366.71ドルと表示されている
同じ2,366.71ドルなのに、円では7,765円の差
明細の計上日米ドル円換算1ドルあたり(手数料込みの換算レート)
支払い9月2日2,366.71391,780円約165.5円
返金9月6日2,366.71-384,015円約162.3円
4日0-7,765円約-3.3円

先に断っておくと、この「1ドルあたり」は為替相場そのものではありません。今回使ったのはアメリカン・エキスプレスのカードで、公式の説明によると換算レートは「換算日の前営業日における主要な外国為替相場情報から選択した銀行間レート」に外貨取扱手数料を上乗せしたものです。この手数料は2025年8月に2.0%から3.5%へ引き上げられています。ニュースで見る相場より高く出るのは、そのためです。

そのうえで、なぜ支払いと返金でレートが変わるのか。答えはアメックスの規定にそのまま書かれていました。「外貨でのカード利用を取り消した場合は、当社での取消処理日を換算日とします」。支払いと取消は相殺されるのではなく、それぞれ別の日のレートで円に換算されるわけです。

これはアメックスに限った話ではありません。JCBも「相殺がされない場合は、請求金額および返金金額それぞれにJCBが定める換算レートを適用します」と明記していますし、三井住友カードも決済センターに売上データが到着した時点のレートで換算すると説明しています。カード会社を問わず同じ構造です。

つまり、支払いが処理された日と取消が処理された日の間にレートが動けば、その分だけ戻ってくる円は増えたり減ったりします。今回は4日のあいだに換算レートが約2%下がりました。それが7,765円の正体です。

逆にレートが上がる方向へ動いていれば、支払った額より多く戻ってきていたはずです。だからこれは「損が確定している仕組み」ではなく、どちらに転ぶかわからないリスクと考えるのが正確だと思います。

ここで効いてくるのが金額の大きさです。40万円弱の予約で約2%動いて7,765円。これが100万円規模のヴィラなら2万円前後です。

では、この差額を取り戻す手立てはあるのか。探した限り、見当たりませんでした。誤請求ではなく、カード会社が公表している換算ルールどおりの正常な処理だからです。海外決済のキャンセルには、こういう見えない振れ幅がついてくるものだと割り切っています。

同じ目に遭わないための7つのチェック

  • 予約確定は、泊まれる確定ではない。掲載されている=その日に部屋が使える、とは限らない
  • 予約したらすぐ物件管理会社に連絡を入れる。返事の速さと丁寧さが、そのまま滞在の安心感になる
  • キャンセルポリシーの日数を予約前に見る。14日・30日・60日・90日のどれかで、意味がまったく変わる
  • 直前予約は、押した瞬間に打つ手がなくなる。到着10日前を切ってからの予約はどのポリシーでも返金なしで、何が起きても引き返せない
  • 予約直後の48時間が最後の安全弁。ただしこの猶予があるのは到着11日以上前の予約だけ。迷いはこの2日で片づける
  • 現地に言われても自分でキャンセルを押さない。先にカスタマーケアへ
  • 返金までの為替は自己負担。全額返金=全額戻るではない

とくに2番目は、今回いちばん反省した点です。私が連絡を入れたのは宿泊3日前でした。もし予約直後に一度やり取りをしていれば、水漏れの発覚がもっと早かったかどうかはわかりませんが、少なくとも「連絡が取れる相手なのか」は先に確かめられたはずです。

それでも、ホームズ&ヴィラをどう使うか

ここまで散々書きましたが、私はこのサービスを使わないという結論にはしていません。ホテルの一室では収まらない人数で動く家族にとって、キッチンとリビングのある家に泊まれて、しかもエリートナイトが貯まるという組み合わせは、代わりがありません。

使うなら、こう組み立てようと思っています。

次に予約するときの自分ルール
  • 無料キャンセルできる期間が残るように、早めに予約を確定する。30日前ポリシーの物件なら、31日以上前に決める
  • 予約直後に物件管理会社へ挨拶メッセージを送る。ここで反応が鈍い物件は、その時点で見切る
  • 同じ街にホテルの選択肢が豊富な都市を選ぶ。泊まれなくなった時に振り替え先があるかどうかで、精神的な余裕がまるで違う。クアラルンプールはまさにそういう街です
  • キャンペーンのために背伸びした金額を組まない。最低利用額を満たすためだけに予算を上げると、為替の振れ幅もそのまま大きくなる

クアラルンプールは、この「切り替えられる街」の代表格だと思います。マリオット系だけでも選択肢が広く、当ブログでもザ・セントレジス クアラルンプールザ・リッツ・カールトン クアラルンプールシェラトン・インペリアル クアラルンプールと宿泊記を書いています。空港からの動き方はクアラルンプール国際空港 深夜着の移動完全ガイドにまとめています。

キャンセル料まわりの考え方は、天候都合のケースを扱った台風でホテルのキャンセル料は?も参考になるかもしれません。「規定はこうだが、事情によっては別ルートがある」という構造は共通しています。

まとめ

  • ホームズ&ヴィラは予約サイトがマリオット、運営は現地の物件管理会社という二層構造
  • 宿泊3日前に「水漏れで使えない」と言われ、キャンセルせざるを得なくなった
  • その時点ではどのポリシーでも自分からキャンセルすれば返金はない。自己都合扱いになりうるので、先にカスタマーケアへ連絡した
  • 米国の窓口に英語で3回電話し、日本時間の夜9時以降にようやくつながった
  • 全額返金されたが、支払いと返金でレートが違うためカード明細上は7,765円のマイナス
  • それでもエリートナイト2倍は魅力。無料キャンセルできる期間を残して予約し、予約直後に現地と連絡を取るのが現実的なやり方

海外の民泊・一軒家型の予約は、クアラルンプールに限らずどこでも同じ構造を抱えています。「予約できたから大丈夫」ではなく、泊まれないことがある前提で、逃げ道(振り替え先の宿)を用意したうえで予約する。今回いちばん腹に落ちたのはこれでした。

同じキャンペーンに乗ろうとしている方の参考になればうれしいです。